みちのこみち

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早野龍五、糸井重里「知ろうとすること。」を読んで

こんにちは

今日は「知ろうとすること。」という、早野龍五さんと糸井重里さんの東日本大震災についての対談をまとめた本を読みました。発見がたくさんあったのでまとめてみようと思います。
 

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早野龍五さんとは…?

東京大学大学院理学系研究科教授。原子物理学者。エキゾチック原子研究が専門。東日本大震災後いち早く福島の原子力発電所の情報を精査しツイッターにて拡散していた。
 
 
 

糸井重里さんとは…?

コピーライター、エッセイスト、作詞家、タレントなどマルチに活動する。ジブリ作品のキャッチコピーの多くは糸井重里さん考案。東日本大震災ツイッターにて早野龍五さんのつぶやきを発見し、本書の対談へとつながる。
 
 
 

あらすじ

 
2011年の東日本大震災のあと、
コピーライターの糸井重里
物理学者の早野龍五とツイッターを通じて知り合った。
福島第一原子力発電所の事故から3年を経て、
あらためて現状を語り合う。

 知ろうとすること。

 
 
 

福島の風評被害はホントに風評だった

私はこの本を読むまでは、福島の野菜は他の野菜よりも危険なものだと思っていました。福島の農家の方々には申し訳ないです。
しかし実際には福島の農家の方々ほど野菜の放射能の付着に気をつけていて、ちゃんと安全基準を満たしているということを知りました。
私のなかで福島の野菜の疑いが晴れた今、風評の恐ろしさに考えさせられました。
 
というか、人間って常日頃から普通に生活しているだけでも被曝していたんですね。被曝がこんなに身近なものだったとは知りませんでした。いや、実は知ってはいたのですが、実感がありませんでした。早野さんと糸井さんの対談を読むにつれ、自分の体を物理的な観点からイメージすることができ、その現象を体感できたような気がしました。
 また、あちこちで放射線量を調べていく早野さんのお話はさながら探偵のようで、おもしろいです。
 
 
 
 

早野さんの行動力に驚いた

早野さんは実は原子力発電については専門でないらしく、似たような分野でも全然違うのだとか。しかし人々が原子力発電所の事故で動揺しているなか、早野さんは出来るだけ正確な情報を広めようとしていました。それも、ちゃんとほかの専門家が情報を拡散するまでの繋ぎの役割として。これだけでも早野さんが人の為に行動する方ということがわかります。
 
さらに本書のなかで、ここに書ききれないくらい早野さんのそういった行動が書いてありました。私が心に残ったのは、福島高校の高校生を自分の研究本拠地(パリ)に引率して招待したこと。その渡航費のために早野さんは奔走し、若い世代に様々な大切なことを学ぶ機会を与えてくださいました。そういうことをできる「個人」って、なかなかいないですよね。
 
 
 
 

文学的な原子のはなし

被曝の話しの途中で水素原子の話がでた。早野さんによると、水素の原子は138億年前の宇宙の誕生とともに生まれた一番最初の原子。そして宇宙が生まれてから大量の水素原子が発生するイベントはなかった。つまり宇宙の誕生の時に発生した水素原子がいまも場所を変えながらずーーーっと残っているんです。ちなみに私たちの体に含まれている水素原子も宇宙とおなじ138億年前のもの…。
 
す、すごい。私は理系のりの字も知らない学生ですから、普段あまり触れない科学や物理の観点でみた歴史の話にとてもときめきました。
理系の話しなのに何故か文学的な感じがして素敵です。わたしはこの部分を読んでいる時に地球と一体となった感じがしました(?)
 
 
以上、「知ろうとすること。」を読んで、ちょっと内容に触れつつ感想を書いてみました。科学リテラシーという言葉がありますが、私たちがこれを身につけることの大切さ、そして大変さを考えさせられました。この本は200ページもなく、早野さんと糸井さんの対談形式の文章なのでとても読みやすいです。ご興味がありましたら、ぜひご一読ください。最後まで読んでいただきありがとうございました。
 
知ろうとすること。 (新潮文庫)

知ろうとすること。 (新潮文庫)